No.38 | バキュームエンジン Vacuum engine | 2005.12.30.掲載 |
バキュームエンジンはFlame eater などとも呼ばれ、ます。欧米には愛好者がいるようです。 右は「Vacu Maxi」 という英国製の模型トラクター。 小さなアルコールランプから吸い込む炎を熱源としてエンジンが回ります。 |
右図のようにカムによって穴のフタを開閉するしくみがあります。 動作 |
作ってみました。
ガラス注射器を使って製作しました。冷却シリンダは真鍮製です。
フタの開閉は上のエンジンのリンケージと違い、シャフト(2mm丸棒)を使う方法にしました。ドーナツ状の円盤を斜めにカットしたカムをフライホィールの内側に貼っています。シャフトをコの字に曲げた先にあるボールベアリングがカムに当たる仕組みです。
フライホイルを回しながら炎を吸わせると、かすかにキュポ、キュポ、と面白い音をたてて回り出します。回転数は10Hzくらいでしょうか。当たり前ですがスターリングと違って、炎を吸わせた途端に動き出し、炎からはなすと途端に止まります。
問題点としては、室温に冷えた状態からスタートする時、炎を吸い込むと結露によって注射器が濡れ、いったんストップしてしまうことです。弁を開けたままにして空転させ、乾かします。少し温まってくれば、連続運転可能になります。 2005.12.3
バキュームエンジンカー
バキュームエンジンの車が出来ました。毎秒30cmていどの速度で走ります。 加熱源として自作した小さなアルコールランプを載せています。入れられる燃料は2〜3mlほどです。 冷え切った状態で最初に運転する時、エンジンを動かさないまま1mlほどのアルコールを燃焼させて加熱します。こうすることで結露の問題が解消しました。 2005.12.20 |
はみだし情報
* 旋盤加工を使いましたが、冷却シリンダやカムをより簡素化した設計が考えられます。
* 2007年6月 私の試作を元に学研大人の科学から「真空エンジン」が発売されました。弁のリンクは同じ方式ですが、カムの所にばねを使わず、2つのカム円盤で挟むように変更されました。ピストンシリンダは真鍮製に変更、空冷用ファンも装備されています。 |