No.44 湿気機関 2007.2.25.掲載

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湿気で動く

コーヒー缶に水を入れて置くと、翼状の紙を取り付けたストローがシーソーのような動き、獅子おどしのような動きを繰り返します。湿気による紙の反りを利用した熱機関です。

これはオリジナルの考案ではありません。ハンガリーの方から、こなのが出来たとお知らせがあり、それをそっくり真似をして作りました。私のものは周期5秒〜10秒で動きました。
  PUSKAS ENGINE: Mr. Simonfi Tibor 

上記のページに動作中の動画、製作の動画があります。

なぜ動くか

濡れた布が放つ湿気によって紙が反って変形します。そのためにストローシーソーの重心が移動して、紙は持ち上がります。湿気の少ない空気によって乾かされ、紙は元の形に戻り、重心の移動のため下降します。これを繰り返します。

気温が高く、湿度が低いほど良く動きます。湿度100パーセントの部屋で動作しないのは、水飲み鳥と同じです。

エンジンならば、熱源は? エントロピーは? 単純な装置ですが、いろいろ考えさせてくれます。

製作

紙は翼状にした時に重力であまり変形しない程度にしっかりしていて、湿気に対する反応が良いものが適しています。考案者は90g/m2 のクラフト紙が良いと言っています。私は少し薄手ですが、手元にあったA4封筒を切って使いました。使えるかどうか確かめるには、息を当てて反応を見るのが一番簡単です。

アルミ缶から切り取ったアルミ板で缶の上に立てるついたてを作り、それに布をホチキス止めして、湿気の発生器とします。

調整

1:翼が乾いた状態でゆるやかなU字形になるように紙にくせをつけます。

2:息の湿気による変形で翼が持ち上がり、乾くと下降するように、紙のおもりの位置を調節します。

3:湿気発生器を翼に触れずに、近づく位置に置きます。

おまけ

蒸発する際の気化熱で布水は温度が下がります。温度差が生じるので周囲から吸熱します。やがて、室温と水温の差はほぼ一定となります。その温度差は湿度で決まります。
水温が高い方が気化が促進しますから、缶にお湯を入れると、動作の速さも増します。
紙には紙目というのがあります。カットの向きで湿気に対する反応も違います。熊谷紙器工業(株)のページ 

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