No.8 ヘロンエンジン
'98年〜実施 2000.1.8.掲載2001.6.2更新2005.6.18更新

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 ヘロンの熱機関は世界最古の熱機関(紀元前150年ころ)です。発電所などでの動力の主役は蒸気タービンですが、ヘロンの熱機関はそのルーツと言えるでしょう。教材としては空ジュース缶とストローで作るやり方が知られていますが、非力なので迫力に欠けるのと、加熱の炎でストローがやられてしまうのが難点です。エンジンですから、やはり物を動かしたり、発電したりと、外部に対して元気に仕事をさせるようにしたいものです。

空ボンベを使ったヘロンエンジン

材料 

空きボンベカセットコンロなどの空っぽになったガスボンベを使います。ハンダ付けできる鉄製のボンベをさがして下さい。
銅パイプ…外径3mm程度の銅パイプが良いと思います。真鍮や鉄でもOK。アルミは普通にはハンダ付けできません。
アルミテープ注水穴のフタをします。事故防止の意味もあります。台所用のアルミテープが熱に強く硬くて具合が良いです。
ハンダ………ステンレス用はんだとフラックスを使ってハンドバーナーで加熱するのが簡単確実。
           ハンダこてでやる場合はなるべく大きなワット数のものを用意しましょう。

手順

@銅パイプ用の穴を開ける位置の塗装を紙やすりではがします。
A銅パイプ用穴と注水穴(3mm径)をドリルで開け、屋外で振り回して残留ガスを放出します。
B中心の針がねと銅パイプをハンダ付けします。
C次の図のようにエンジンをぶら下げる取っ手を作ります。

エンジンを回そう

@注水穴から水を少し入れてアルミテープでフタをします。
A取っ手を水平に持って、アルコールランプなどでボンベの底を加熱します。
B湯気が出るようになったら、2本のパイプのどちらからも勢い良く噴出するように、潰し方を調整します。
C回転中、湯気が上がらなくなったら、水切れです。すぐに加熱をやめて、水を補給します。

おまけ情報
空きボンベのガス抜きは必ず行って下さい。
水がなくなってからも加熱し続けるとハンダが融けてしまうので、注意しましょう。
銅パイプを断熱材で覆うと勢いが増します。
ピストン式の蒸気機関については、スチームカーのページを見てください。

古い図をもとに復元した模型を入手しました。模型エンジンメーカー斉藤製作所の製品です。2001年4月、この模型の開発者である斉藤源 氏から貰い受けました。

下の燃焼皿でメタノールを燃やすと、上の回転子が回ります。火勢が増すにつれて、回転数が上がり、キーンという高い音を発します。

 

 

ヘロンエンジンカー出現
2005.2.26追加

ついにヘロンエンジンカーが現れました。ヘロンエンジンプロペラカーです。

ボイラーはボトルタイプのアルミ缶であり、横倒しで加熱され、回転します。

ゴム栓から出た2つのパイプが長く伸び、それぞれ大きなプロペラの羽根となっています。

熱源はゼリー状アルコール。大きなプロペラをゆっくりと回し、プロペラの力で車が前進します。

第2回外燃カーコンテスト(土浦工業高校主催)で直線コース20mを走り切り、アイデア賞に輝きました。

 

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