No.28 | 振動翼で風力櫓船 | 2004.7.18.掲載 |
左の写真はやや大型(長さ40cmくらい)のもの。胴体はバルサで作られ、塗装と樹脂コーティングがしてあります。振動翼は船体の後方に、水中の櫓は前の方に配置して、矢羽根安定を得やすくしてあります。
「第8回流れと遊ぶアイデアコンテスト」一般の部でアイデア大賞を受賞した時の写真です。 |
左右に翼を振って、風を遡る 変り種のウィンドシップです。風の力で振動翼を左右に揺らしながら、風に向かって進みます。船体の揺れによって水面の櫓(ろ)をこいで、前進する力を得ています。 振動翼が迎角によって右に左に揚力を受けるのは、翼の原理です。 |
仕掛けはエンピツに 翼の根元は右の図ように鉛筆に穴をあけて、作ります。パイプはボールペンのインクパイプなどでOK。ステンレス棒は釣具屋さんで売られています。 風に対する翼の迎え角をおもり(がん玉)にはたらく重力によって反転させるのが振動の仕組みです。針金のストッパーは迎え角を制限します。エナメル線(銅線)やアルミ針金などが加工しやすいでしょう。 フロートはストロー 100円ショップの「ジャンボストロー」が鉛筆にピッタリです。ストローの片方をローソクやライターで遠くから熱し、ホヤホヤと熱いうちに厚紙などで押さえるとつぶれて密閉されます。 翼はプラ板(0.1〜0.2mm厚) |
推進のしくみ
@〜A
翼が右に振れて、ある角度になると、重りのはたらきで迎え角が反転します。同時に櫓の向きも切り変わります。 A〜B 翼にはたらく揚力(左向き)のため、翼は左に振れます。このとき、櫓は水中で左から右に動き、水を切り推力を発生します。 B〜C 翼が左に振れて、ある角度になると、重りのはたらきで迎え角が反転します。同時に櫓の向きも切り変わります。 C〜@ 翼にはたらく揚力(右向き)のため、翼は右に振れます。このとき、櫓は水中で右から左に動き、水を切り推力を発生します。 |
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おまけ情報
☆櫓の重さ 風がない時、翼を倒しても自然に戻るように櫓は重さが必要です。翼が倒れてしまう時は櫓に釣り用の板おもりを貼ったり、ガン玉おもりをかませたりしてバランスを取りましょう。
☆翼の大きさ 翼が大きい方が力は大きくなりますが、櫓の大きさと風の強さによって最適な大きさがあります。櫓の重さとのバランスも変わります。
☆陸上に上がる?このシンプルな仕組みの振動翼を応用して陸上を進むことはできないでしょうか。クランクで翼の振動を車輪の回転に変えることはもちろん出来るでしょう。しかし、もっと面白い方法はないでしょうか。
櫓は優秀な推進システムですが、それに匹敵する陸上のシステムは? →No.29
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