No.25 | スポイト船? | 2003.8.8.掲載 |
吸ったり吐いたりで前進できるか
上の図のような船に乗り込み、スポイトで水を吸ったり吐いたりすると、前進できるでしょうか。 |
モーターを使う設計
作って見ました
前進しました。この船は毎秒30cmくらいのスピードで前進します。 ギヤ・モーターでクランクを回し、ピペットの蛇腹押し引きをしています。回転数は毎秒2.5回で一定、つまり吐き出す時と吸い込む時とで、ノズルを通る水の流れの速さは同じです。ちょっと不思議ではありませんか? |
なぜ?
推力が発生する理由は、水の中に手を入れてみるとわかります。水が出る時はノズルの正面に集中して水流が勢いよく当たります。ピペット内の水が勢い良く噴出するので、その反動で船は前に押されます。ところが、吸い込む時は水流が手に当たりません。吸い込む時は一方向からでなく、ノズル近くのあらゆる方向の水を吸うからです。このことは、口をとがらせて手に向かって息を吹いたり吸ったりしてみる時と同じです。 |
☆製作に使用したスポイトはSANKO-PLASTICSと刻印のあるポリエチレン製ケミカルスポイト2ml用です。写真では先を切らずノズルの内径は1mmですが、先を3cmくらいカットして内径2mmくらいに拡げたら推力がやや大きくなりました。
☆おもちゃのポンポン船が前進できるのも同じ原理です。安定作動中は図のように水蒸気の部分と水の部分に分かれ、水は管の中で往復振動をします。管から水を出したり吸い込んだりを繰り返すことで推力を発生するのです。